ドイツのインターネット
速い?遅い?
ドイツのインターネット、
ズバリ遅いです。
そして、移動体通信(モバイルネットワーク)は本当に電波が悪い。
日本も散々ネット環境が遅れているだとか、速度が遅いとか言われていますが、ドイツはそれ以下です。正直、ドイツに来るまでドイツの方がネット環境は進んでいると思っていました。
ドイツには日本と同じく大きく3つの(移動体)通信事業者MNOがあります。
ドイツの最大大手は日本で言うNTTグループ的な元国有企業の Deutsch Telekom Group(ドイツ・テレコム)
2番手は日本では懐かしいVodafone(ボーダフォン)
3番手はTelefónica GermanyのO2(オーツー)
料金形態
ドイツのモバイル料金形態はとても単純で分かりやすくなっています。
現在、日本もかなり分かりやすくなってきましたが、それでも、まだわかりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか?(自分はガジェット好きでもあるので、個人的には今の料金形態より自分の好きなプランを組み合わせて、いかにコスパの良い料金プランを作るかが好きでしたが。)
それはさておき、ドイツのモバイル料金形態は基本的に通信容量によって価格が変動します。だから、通話は基本的にし放題です。下でも各社ごとに料金形態を書いてありますのでご覧ください。
ローミング料撤廃
国外ローミングが撤廃されました!と言っても、もちろんEU域内だけですよ!
EU域外の人にはなかなか考えられないかもしれませんが、EUは2007年から10年をかけてデジタル単一市場の構築に取組み、人・物・金に加えて、2017年6月15日からモバイルネットワークの行き来も自由になりました。
だから、一部キャリア、プランを省いて基本的に契約した国のキャリアの料金とプランが適応されます。だったら、一番安い国で携帯を契約すれば良いんじゃないのって思う人もいるでしょうが、ローミング料撤廃を悪用されることを見越してルールも整備されています。一般的な旅行や仕事、国境近くで他の国に働きに行っている人など普通に利用している場合は問題ありませんが、1日に1回でも契約している国のキャリアに接続するか、長期の旅行などでしばらく接続が確認されな場合でもキャリアからの通知から2週間以内に契約国のキャリアに接続すればローミング料金はかからない様になっています。(ただ、国境付近に住んでいる人は契約国のキャリアではなく、ずっと外国キャリアのセルに繋がっていることもあるらしく、そのへんはどうなっているんだろうと疑問ですが。)
上に書いた一部のプランとは自分も契約してる、無制限プランのことなのですが、その名の通り一切の通信制限がありません。(某WiMAXのような10GB/3日間の詐欺行為もありません。)これに関しては、EU内でも国によってもネットワーク容量の都合もありますし、悪用されることを考えて規制がされています。自分の契約しているO2ではローミング中20GB/月の通信容量制限あります。契約者からすれば、他のプランは制限がないのに、無制限プランの契約者は平等に扱われていないとネット上の書き込みも見かけます。(確かになって思います。)
各社の特徴と料金形態(MNO)
Deutsch Telekom Group
みなさんも一度はこのロゴを見たことがあるのではないでしょうか?
自分はてっきりアメリカの会社だと思っていたのですが、2001年にアメリカのボイスストリームを買収しT-Mobile USが誕生しました。現在、米Sprintとの合併を承認するか否かアメリカで議論を呼んでいます。
ドイツテレコムはドイツの信用してはいけない企業でも紹介した様に、1989の東西統一前まではドイツ連邦郵政省として電気通信・郵便・郵便貯金の3事業が一体経営されていました。日本の旧郵政省と同じような感じです。 その後、通信事業と郵便事業などが分離され現在のドイツテレコムグループが誕生しました。なので、日本のNTT同様基幹ネットワークが既に構築されているので固定、移動共に安定しており比較的速く、どこでも繋がりやすくなっています。スピードとサービスエリアを求めるならTelekom一択でしょう。
ただし、その分料金設定も強気です。
通信料金
6GB | 12GB | 24GB | 無制限 |
39,95€ | 49,95€ | 59,95€ | 84,95€ |
通信速度理論値:下り300Mbps/上り50Mbps
5Gも含む(提供開始エリアのみ ※2020年2月現在8都市の一部のエリア)
Vodafone
みなさんもご存知今は無きVodafoneです。Vodafoneの本部はイギリスにあります。日本では3番手のイメージがありましたが、ドイツでは一応2番手です。ただ、自分の周りではあんまりVodafoneを使っている人は聞きません。もしかしたら、MVNO接続の人が多いのかもしれません。正直、4G・LTEのカバーエリアは良いとは言えない気がします。個人的には3番手のO2とどっこいどっこいな感じ。自分は4GだけどVodafoneは2Gのことも。
通信料金
4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 無制限 |
29.99€ | 39.99€ | 49.99€ | 59.99€ | 79.99€ |
通信速度理論値(カッコ内実測値平均):下り500(78.7)Mbps/上り100(29.7)Mbps
5Gも含む (提供開始エリアのみ)
O2(Telefónica )
O2のブランド名だと知っている人がいるかも知れませんが、こちらも同じくイギリスに本部を置く会社です。以前はドイツ国内では3、4番手でしたが2014年E-plusと合併したことにより上位2社に大きく近づきました。ただし、郊外での通信や4G・LTEのカバーエリアはよくありません。投資家向け情報でも、4Gのセル数を急ピッチで拡大するとありますが、超増えたな!とまではありません。最近ようやく自分の自宅近くでもキャリアアグリゲーションが対応になり、通信速度が気持ち速くなりました。(実測5Mbps→20Mbps前後)
自分のスマートフォンが悪いのかもしれませんが、なかなか4Gを掴んでくれなかったり、ハンドオーバー(セルとセルの繋ぎ変えのこと)がうまくいかなかったりと不満も結構あります。ただし、価格はMVOの3社中一番安く、学生などが多く使っているイメージです。(正直お金に余裕があるならO2はおすすめしません。ただ、MNOブランドで完全無制限でこの価格は魅力的ですよね!)
通信料金
・通信容量固定プラン
3GB | 6GB | 20GB | 40GB | 60GB | 120GB |
19.99€ | 24.99€ | 29.99€ | 34.99 | 39.99€ | 44.99€ |
・通信容量無制限プラン
速度完全無制限 | 最大10Mbps | 最大2Mbps |
49.99€ | 39.99€ | 29.99€ |
通信速度理論値(カッコ内実測値平均):下り225(40)Mbps/上り50(19.6)Mbps
5Gも含む (提供開始予定2020年第一四半期)
なお、O2に関しては、既存の4Gエリアの拡張を先に進めるようで、5G の提供開始は少しゆっくり目です。顧客からすると現状だと他キャリアも5Gエリアも少なく、ましてや4Gエリアも狭いので、この選択は正しい選択なのではと思います。
MVNO(格安SIM)もさかん!
日本でも数年前から聞くようになってきたMVNOですが、ドイツでも学生や若い世代を中心に人気を集めています。特に、短期滞在者や留学生にもおすすめです。ほぼ、すべてのスーパーマーケット、ドラックストア、家電量販店ブランドのSIMが売っており、プリペイドSIMを買って手持ちの端末に差し込めばすぐに使うことができます。(SIMフリー端末が必要。日本のキャリアで購入の場合、初期状態ではSIMロック状態。別途手続きが必要)
その中でも特に人気なのが、スーパーマーケット系MVNOのAldi TalkでO2の回線を使っているのでサービスエリアは狭いですが、コストパフォマンスは良いと思います。クレジットカードなどを持っていなくてもスーパーマーケットでカードを買えばチャージもできるので、とりあえず買って使う!ってこともできます。
ALDI TALK 通信料金
3GB | 5GB | 7GB |
7.99€ | 12.99€ | 17.99€ |
通信速度(理論値):下り21.6Mbps/上り8.6Mbps
まとめ
みなさんも見てもらって分かるように、ドイツの通信速度は遅めです。
ちなみに上でも書きましたが、自分はO2の完全無制限プランを契約中です。固定回線だと、工事を待ったり、ルーターを買ったりすることを考えるとモバイル回線と固定回線のコンビネーションプランでもほぼ同額なので、外でも気にせず使えたほうが良いかなと思って、このプランにしました。ホームルーターで接続していますが、少し不安定でイライラしますが、固定回線でもたまに繋がらない。なんてこともよくあるので、まー良いか!ぐらいで考えています。
ドイツはイベントなどで少し人が集まるだけでも通信速度が落ちたり、4Gにつながらず、2Gにしか繋がらないということもしばしばです。だから、日本の新宿駅で普通にインターネットが使えているのがいかにキャリアの努力によってできているのか、本当に感謝でしかありません。
例えば日本のNTT docomoの通信速度を以下の表にまとめてみました。
理論値 (キャリアアグリゲーション含む) | 実測値平均 (シングルバンド) | 実測値 (キャリアアグリゲーション対応エリア) | |
下り | 1576Mbps | 237Mbps | 168Mbps~299Mbps |
上り | 131.3Mbps | 35Mbps | 23Mbps~45Mbps |
これをみても分かるように、日本は遅れていると言われながら通信費と通信容量を省けばほぼストレス無くスマートフォンでインターネットを楽しむことができているのはないでしょうか?
ドイツは、『いつまでたっても、あたりまえにならない』と思います。(ドコモのキャッチフレーズをいじっているを分かって笑)
ちなみに、今回は触れていませんが、ドイツの固定回線も激遅です。Telekom の固定回線の理論値も最速のプランが250Mbps(54.95€/月)ですからね!流石に、政府もこれには危機感を持っていて、テコ入れしようとしていますが、なかなか改善される兆しはありません。この調子なのでドイツでは光回線って何?って感じです!昨年末ぐらいからようやく1Gbpsのプランが発表されていましたが、めちゃくちゃ高かったはずです。
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